アニメ「アサルトリリィ BOUQUET」のBlu-rayが1月27日より、毎月1巻ずつ発売され、最終巻となる第4巻が4月28日に発売。

第1巻からBlu-rayの各巻の発売記念と共にお届けしてきたキーマン3人のスペシャル対談も今回が最終回となる。

最後は第4巻に収録されるオリジナルサウンドトラックの話題を中心に対談が行われた。

 

進行担当:岡田太郎氏

ブシロードミュージックに所属する「アサルトリリィ BOUQUET」プロデューサー。
その他、様々なブシロード関連作品に関わっており、「探偵オペラミルキィホームズ」の2代目統括プロデューサーとして音楽、ライブ、アニメ全般を担当。

 

ゲスト①:斎藤滋氏

様々なアニメ、ゲームの音楽をプロデュースする株式会社ハートカンパニー代表取締役で、「アサルトリリィ BOUQUET」の音楽プロデューサー。
過去には株式会社Lantis(現・バンダイナムコアーツ)に所属しており、数々の作品を担当。
主な担当作品は、「涼宮ハルヒの憂鬱」、「探偵オペラ ミルキィホームズ」、「ひだまりスケッチ」、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。

 

ゲスト②タノウエマモル氏

株式会社ハートカンパニーに所属する音楽ディレクター。
「アサルトリリィ BOUQUET」においては全体を統括する斎藤氏をサポートし、楽曲の発注やレコーディング、制作管理などの実務を担当し、主に現場でのディレクションを行う。
元々は作曲家として活動していたが、斎藤氏との出会いを経て現職。

 

・サウンドトラックについて

岡田太郎氏(以下、岡田):最後はサウンドトラックですね。
実はこの劇中BGMが一番最初に取り掛かった項目だったんですよね。
何人か作家候補を挙げていただいたんですが、すんなり松田彬人さんに決まったんですよね。

斎藤滋氏(以下、斎藤):色々な作家を挙げていく中で、僕が個人的に世界観が合うだろうなと思っていて松田さんを推したんですよね。

岡田:お名前を挙げていただいた方の全員分の資料はいただいて、一人一人、確認していく中で、やはり松田さんだろうと製作者サイドと合致したというのもありますね。

斎藤:彼を推した理由は、すごい天才だと思っているからですね。
いつか何かで大スターになってしまうような才能の持ち主なんです。彼の音楽はすごく繊細でアカデミックで芸術的なんですね。
女の子たちの心情を細かく表現したりとか、人の思いを汲み取ったりとか、それを形にするのがすごく上手なんですよ。
作曲について、場面や環境に応じた音楽が得意な人と、心情や心のひだに触れるような表現をするのがうまい人がいて、彼はどちらもこなせるんですが、後者の方が得意かな。

今回はテレビシリーズなので、事前に曲を全部納品して、音響監督さんが編集して使うというスタイルですが、本来は映画のように完全にフィルムがあって音楽を合わせるフィルムスコアで実力を発揮するタイプですね。

キャラクターが何か語ってから、一呼吸おいてから本音を漏らすみたいな場面のこの「一呼吸」を音楽で演出してくれるんです。

岡田:本作は、明るい場面は底抜けに明るくふざけあっている一方で、苦しい場面や悲しい場面もあります。皆が辛い過去を持っている切なさみたいなものが根底にある作品で、そういった心情がうまく表現されていますよね。
そして武器やメカのような近未来的な要素の場面と、少女たちの交流、自然の風景といった場面も音楽が見事にマッチしました。

斎藤:器用な作家なんですよね。彼はあまりしゃべらないタイプの作曲家で、僕と監督がやりとりしているのを横でうなずいて聞いているという感じなんです。

メモも取ってるんですが、あまり多く書いてなくて「松田君、理解できた?」って聞くと、「大丈夫です」と答えて、質問も「特にありません」という結構、物静かなタイプなんですよ。
昔は「大丈夫かな?」と思ってたんですが、きっちり仕事を仕上げてくるので最近は心配していません(笑)。

 


 

岡田:斎藤さんと信頼関係もある松田さんと、一緒に仕事できたのが素晴らしいめぐりあわせで必然だと思うことがありました。
「アサルトリリィ BOUQUET」をお願いする直前に、弊社のカードゲームコンテンツのミニアニメの「りばあす」という作品でも劇中BGMをお願いせていいただいているんです。

自分は音楽プロデューサーとして仕事させていただいてますが、意図的に松田さんを連続起用していたわけではなく、まったく違う世界観で尺も違う作品の中でどちらも最終的には松田さんに辿り着いたんです。
改めて、松田さんの実力が引き寄せたんだなと思いますよね。

斎藤:魅力があるから皆頼りたくなるんですよね。個人的にはもっと売れてもいい思っていて、僕も何か道筋を作ってあげたいなというところで色々お願いしています。

岡田:複雑な心情表現が本当に素晴らしいですよね。
このサウンドトラックはぜひ手に取っていただきたい完成度だと思います。それぞれの音の違いを楽しんでいただきたいし、どのシーンで使われているのかなども確認して欲しいなと。
そして、自分に何かあった時に心の中で曲が流れるようになるのがサウンドトラックだと思うので…。

斎藤:ぜひ浸ってもらいたいですよね。

 


 

・最後に

岡田:全4巻の発売を持って、一旦、アニメの楽曲は締めとなりますが、最後にお二人からファンの方に向けてメッセージをいただければと思います。

タノウエマモル氏:振り返ってみれば、音楽がメインのコンテンツではないにも関わらず、非常にたくさんの楽曲を作らせていただきました。
クリエイターの皆さん、スタッフ陣、キャストの皆さんが作品と向き合って、理解し表現することに全力で向き合ってきたからこそ、素晴らしい楽曲ができたと思います。細かい部分まで拘り抜いて作っているので、ぜひ何度も聞いて欲しいです。
また、アプリもリリースされているので、そちらも楽しんでいただければと思います。

斎藤:本作は、色々な縁が繋がったできた作品です。岡田さん、ブシロードさん、シャフトさんからのご指名もあり、今まで頑張ってきたことが間違いじゃなかったと思える感慨深い仕事になりました。
そして、岡田さんとお客様に喜んでいただいて、いい楽曲ができたなと感無量ですね。今後も舞台が控えており、まだまだ「アサルトリリィ」の世界を広げていくために皆で頑張っていきたいと思います。ぜひ、ファンの皆様もお力を貸していただければと思います。

岡田:私自身、業界に入った頃から、斎藤さんには色々お仕事でお世話になってきました。
そんな中、今回はガッツリとタッグを組ませてもらって、色々教わりながら、どんなお願いも対応いただける安心感もあったので、かなり自由にやらせてもらえました。

タノウエさんとは初めてお仕事をさせていただきましたが、僕よりも若くて音楽にも長けていて、高いクオリティで充実した内容の楽曲たちが生み出されました。この素晴らしい作品と音楽をぜひ何度も味わって聞いていただきたいです。

そして、皆様の応援があれば、本作の音楽はもっと広がっていくと思います。
その時にはまたお二人と関わっている作家の皆さんの力を借りて、いいものを作っていきたいですね。

 

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【Blu-ray情報】



 

https://anime.assaultlily-pj.com/cd_blu-ray/9/

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